お茶の間の空気を濁すグラブルCMを考察してみると意外と面白かった

グラブルのCMの評判を検索してみると、批判的な意見が多いみたいです。

家族でご飯を食べながらテレビを見ていたらグラブルのCMが流れ・・・

「・・・てかお前アイツとグラブってるの?」

と卑猥なことを連想させるCMが突如流れると、その場の空気が固まるんだとか。

確かに、子供の頃にドラマのキスシーンだったり少しエッチなシーンになると親兄弟が凍りつくように気まずくなってしまったものです。
ゆえに、その気持ちはよくわかります。

しかし、その後も続々と新しい「グラブる」シリーズのCMが増え続けていることを考えれば、製作者側からすればそれだけ成果が出ているということです。

というわけで今回は、CMの製作者側の立場から「グラブる」シリーズのCMの狙いを考察してみました。


CMの目的

そもそも、基本無料スマホゲームのCMって何を目的としているのでしょうか?


まず、基本無料スマホゲームの売り上げが出るまでの流れを大まかに整理すると以下のようになります。

①検索、インストール、初プレイ
②ゲームにハマってもらう
③ゲームに課金する



ゲーム運営側から見て、①〜③の各段階でユーザーに与えるべき情報が変わります。

①検索、インストール、初プレイ
この段階では「興味」を与える必要があります。
余程の事がない限りは、あなたも興味のないゲームをインストールしたりしませんよね?

②ゲームにハマってもらう
この段階では「楽しみ」を実感してもらう必要があります。
ゲーム、コンテンツ自体の質が非常に重要になります。

③ゲームに課金する
この段階では「理由」を作らせることを意識します。
ゲームをスムーズに、快適に、ライバルより強くなるために…
無料だから、今だけキャンペーンやってるから…
課金する理由はいろいろありますよね。


この流れでいうとCMは①のアクションを引き起こすために存在すると考えられます。

つまり、CMは視聴者に対して「興味」を持たせて、「検索」「インストール」「プレイ」という行動を起こさせることが目的であるということです。


グラブルCMの比較

まずはこちらのCMをご覧ください。


こちらは従来のグラブルCMです。

綺麗な絵と迫力あるアニメーションを流しつつ、グラブルの魅力を「圧倒的なビジュアル」という言葉で表現していますね。
「グラブルのコンテンツはココがすごい!」と「②ゲームにハマってもらう」の要素を教えてくれているわけです。

これに興味を持ったユーザーはグラブルを検索して、インストールして、プレイしてくれます。

グラブルってグラフィックが凄いのか。

魅力的だな、面白そうだな。

検索、インストール、初プレイ

このような流れでCMの目的が達成されます。


そしてこちらが話題のグラブルCMです。


・・・全然ゲーム関係ねーじゃん!!!

そう、ゲームにまったく関係ないのです。
「②ゲームのハマってもらう」の要素も、コンテンツの魅力も全く伝わってきません。

逆にゲームのコンテンツにモザイクをかけるような表現がされています。「グラブる」とはいったい何なんだろうかと。

この点から、CM製作者側の狙いは「グラブる」というモヤっとした動詞が何なのかを知りたいと視聴者に感じさせることだと推測できます。

グラブるって何だろう?

知りたい。

やってみればわかるじゃん!

検索、インストール、初プレイ

この流れでCMの目的が達成されます。


従来のCMと比較すると「面白そうだからプレイしてみる」から「知りたいからプレイしてみる」にシフトしていますね。

後者のCMはゲームにまったく関係のない内容ですが、目的は飽くまでも「検索、インストール、初プレイ」させることなので特に問題はありません。
ゲームのコンテンツや質はプレイしてみればわかりますしね。

恐らく、前者のCMより後者のCMの方が成果が出ているでしょう。
なぜなら、人間は「やってはいけないことをやりたくなる」傾向にあり、
年齢層や性別、ゲームに対する意識に関係なく、多くの人がCMのターゲットとなり得るからです。


禁断の果実効果

私はその「やってはいけないことをやりたくなる」傾向を禁断の果実効果と呼んでいます。
(心理学の世界ではカリギュラ効果と呼ばれていますが、わかりにくかったので私が勝手に命名しちゃいました。)


例を挙げるなら鶴の恩返しがわかりやすいでしょう。
話の内容はあなたも知っているでしょうから、一部抜粋します。

娘姿の鶴:絶対に覗かないでくださいね?
お爺さん:オッケーグーグル。わかりました。

お爺さん:チラッ・・・チラッ・・・
   鶴:ハッ!!!!

「絶対に覗かないで」という言葉が、逆に見たくなってしまう要素になってしまったんですね。


禁断の果実効果はテレビだったり広告だったりいろいろなところで応用されています。

「絶対に見てはいけない」ホラー映画みたいなのとか、
「悪用禁止!」なんて本の表紙に書いてあったりだとか。
「絶対に押すなよ!!!」・・・はなんか違う気がしますが(笑)

多くの人にそれらを見て欲しいから、禁断の果実効果がいろいろ利用されているわけです。


つまりグラブルのCMも同じで、
「グラブる」という言葉を「やってはいけないこと」のように仕立て上げることで、
多くの人間に「知りたい」という気持ちを作り出し、うまくユーザーを増やしているということです。


まとめ

お茶の間の空気を濁しているグラブルのCMは、禁断の果実効果をうまく応用することで幅広い層の視聴者に対して「検索、インストール、初プレイ」を促す秀逸なCMである。

ちなみに、グラブルCMの男子学生役をやってる俳優さんは、auのCMに出てる鬼ちゃん役の方なんだそうです。
キャラが全然違うので、調べて見るまで気がつきませんでした。。。